元気な赤ちゃんが寝ている間に前触れもなく急死する「乳幼児突然死症候群(SIDS)」について、厚生労働省の研究班が統一的な診断基準作りに乗り出した。「窒息死や虐待死が、安易な診断でSIDSによる病死として片づけられている」という遺族らの訴えを受けたものだ。
◆乳幼児突然死症候群(SIDS)
生後3―4か月に最も多く、大半が6か月まで。女児より男児、夏より冬に多い。原因は不明だが、赤ちゃんは呼吸の調整機能が未発達で、突発的な無呼吸状態から回復できないためとも言われる。
豪州などでは「暖めすぎ」もリスクに挙げる。福岡市の産婦人科医院長、久保田史郎さんは「体に熱がたまると、体温を下げようと低酸素状態に陥るようだ」としている。
◆予防法は
突然死を予防する手だてはある。旧厚生省は98年、うつぶせ寝、人工ミルク、周囲の喫煙といった要因で、発症率が3―5倍に高まるとの調査結果を発表、これらを避けるよう呼びかけた。それ以前は年に5、600人だったSIDSの死者は、半分近くに減った。
「昼寝の時は5分おきに様子を見る。体に触れて刺激を与え、反応をみます」
◆SIDSの危険を下げる方法
- うつぶせ寝をさせない
- 子どもの近くで喫煙しない
- ミルクより母乳が望ましい
- 服の着せ過ぎ、布団のかけ過ぎをしない。特に帽子や靴下をつけて寝かせない
- 授乳の時は抱くなどして発汗状態を観察する。ベッドで1人でラッパ飲みさせない
◇赤ちゃんの急死を考える会 FAX045・243・2633 http://homepage3.nifty.com/sids/
◇SIDS家族の会 03・3499・3111(財団法人母子衛生研究会内) http://www.sids.gr.jp/
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