読売新聞に子供と風邪薬についての記事が載っていた。
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＊＊＊せき止め、鼻炎症状を抑える薬について＊＊＊
風邪は高熱や関節の痛みを伴うインフルエンザとは異なる。薬は風邪を根本的に治すのではなく、せきや、くしゃみ・鼻水・鼻づまりの鼻炎症状などを対処療法だ。
（省略）せきは、たんを出して病原体や炎症物質を排除する働きがある。せきで眠れないようなら薬を使ってかまわないが、風邪の場合、せきを止める必要は基本的にない。ただ、百日ぜきのせきは止めた方がよく、医師の診断が必要だ。
（省略）注意が必要なのは点鼻薬。乳児に成人用の点鼻薬を使い、意識障害を起こすなどの副作用が報告されている。一時的に鼻がすっきりしても、長期間繰り返し使うと鼻粘膜の自律神経のバランスが崩れ、かえって鼻づまりを起こすという。飲み薬については鼻炎症状を抑える抗ヒスタミン剤や、ある種の去たん剤を乳幼児に使うと、けいれんを起こしやすくなるため、避けるべきだ。
総合感冒薬には熱さまし、せきどめ、鼻炎の薬の三成分が配合されている。熱がないのに解熱成分の入った薬を飲んで、体温が35度以下になる「低体温ショック」で緊急入院した例もある。けいれんを起こしやすいとされる抗ヒスタミン剤も、多くの総合感冒薬に含まれている。乳幼児には、熱があってもなくても、総合感冒薬は避けた方が無難。
せき、鼻水などは病気に対する防御反応。症状をとめると風邪を長引かせたり、こじらせたりする可能性がある。ただし、症状が長引くようなら医師を受診したい。
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＊＊＊抗生物質と解熱剤について＊＊＊
風邪で医師にかかると、抗生物質を出されることが多い。これはほとんど意味のない医療行為だ。風邪の原因の9割以上を占めるウィルスに抗生物質は効かない。（エッ！）
医師もこのことは知っている。それでも抗生物質を処方するのは「薬を出さずに風邪をこじらせ、肺炎にでもなったら困る」という気持ちからのようだ。
だが、抗生物質を飲んでも肺炎の予防効果がないことは、海外の研究で明らかになっている。それどころかマイナスの方がおおきい。
抗生物質を使うと、駆除された菌に変わり、薬の効かない耐性菌が増える可能性がある。もし肺炎を起こしたとき抗生物質が効かず、治療が難しくなる恐れもある。抗生物質にはショック、下痢など重い副作用があることも知っておきたい。
ただ、風邪に似た症状で抗生物質が必要な場合もある。
そのひとつが扁桃炎。扁桃線が腫れ、白いウミが出る。半数程度は溶連菌が原因で、急性腎炎になる場合もあり治療が必要だ。
せきがしつこく続くなら、マイコプラズマ感染の可能性がある。3歳以上の子で、せきが1週間以上続く場合は受診を。
薬で熱を下げることは子供のためになるだろうか。
熱は病原体を退治する防御反応なので、熱を下げると病原体の勢いを助け、有害だ。
解熱剤を使っても、元の病気が治っていなければ再び熱は上がる。その際、悪寒や震えが起き、子供はかえって苦しい思いをする、熱を下げると病気の自然経過がわからず、診断が難しくなる場合もある。
解熱剤はねつで苦しがったり、眠れなかったりするときに使う。熱が40度でも子供が眠っていれば薬は必要ない。「熱で脳がやられるのでは」という心配はいらない。
ただ、熱が4日を超えて続くか、40.5度以上の場合や、子供がぐったりして様子がおかしい時は、すぐに医師を受診すべきだ。
解熱剤を使うなら、アセトアミノフェンに限り、1回限りで使う頓服にする。非ステロイド系抗炎症剤と呼ばれる一部の解熱剤で、小児のインフルエンザ脳症による死亡率が高まることがわかっている。
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